終わりの始まり、或いは失われた始まりの終わり

 あなたは、圧倒的な敗北を、挫折を、屈辱を、劣等感を、無力さを、世界に対しての恨みを感じたことはありますか?むしろ感じたことがない人の方が多いと思います。自分だけが辛い、自分だけが正しい、自分だけが特別だと誰しも思いたいはずです。

 僕は凡人、いや、それ以下の存在でしょう。それは何をやっても上手くいかない自分の不器用さだとか、自分の容姿の醜さゆえでしょう。元々怠惰な性格なのもあるでしょう。世界は残酷でとても明確です。美しいものは正しく、醜いものは間違っているのです。
 僕が幼いときに、父親はある罪を犯し捕まりました。離婚し、母は鬱病になりました。田舎の祖父母の家に住むようになりました。祖父は亭主関白でした。家に僕の居場所はありませんでした。小遣いを与えられない家庭でした。友達と呼べる存在は出来ませんでした。そんな僕が出来ることは図書館に通うことでした。たくさんの冒険をしました。たくさんの仲間に出会いました。たくさんの恋に落ちました。物語だけが僕の救いでした。
 中学生になると、いじめが始まりました。当然のことでしょう。僕は、天然パーマで、ニキビ面で、歯並びが悪く、トロかったのです。醜いことは悪なのです。そのころ祖父母が認知症になり、家庭が崩壊し始めました。当時Youtubeや深夜アニメの台頭によりますます物語とそしてその時出会った音楽にのめり込んでいきました。
 高校生になるとアルバイトが出来るようになります。僕は醜い自分を変えるためにアルバイトを始め、ストレートアイロンを買いました。様々な化粧品を試しました。食事制限をしました。歯科矯正をするためのお金を貯めました。その努力により多少はマシになったのでしょうか。中学時代より遥かに過ごしやすくなりました。しかし他人と関わることが増えると逆に僕と世界に対する断絶を感じるのです。結局僕は、高校3年時は保健室登校で終わりました。家に居たくなかったので、毎日閉店までブックオフか図書館で過ごしました。
 大学生活も同じようなものです。1人暮らしを始め、念願のギターは買えたものの、他人との断絶は広がっていくように感じました。
 そんな僕にも転機が訪れます。決定的な出会いです。For Tracy Hydeの管さん、U-1さん、Boyishの岩澤さんです。彼らのおかげでこんな僕にも仲間が出来ました。たくさんの人、たくさんの音楽、たくさんの天才に出会いました。僕も音楽を作ってみたいと思いました。夜勤のアルバイトをしながら、機材を整え始めました。でも現実は甘くないのです。ゴミみたいな曲しか出来きませんでした。僕は才能がないんだと感じ、裏方に徹することにしました。Boyishにシンセとして管さんのサイドプロジェクトであったTenkiameのギターとしてです。彼らの才能/努力に甘えました。結局、僕はまた諦めてしまったのです。仲間とただ無為な時間を過ごすことに甘えました。馴染めなかった大学はろくに行かずに、学費を稼ぐためのバイトと読書とバンド活動を続ける日々でした。また僕は現実を拒否してしまったのです。
 転機は訪れます。ある人物にお前は努力もしないのになんでモテるのか、死ねばいいのにと言われました。僕自身、容姿にコンプレックスを抱えたままでありましたし、努力をして諦めた上だったのでその一言は突き刺さりました。でも僕の言う努力は偽物でしかなかったのです。(それは過去に記事を書いたのでそちらを参照して下さいむしろこの記事の方が僕の言いたいことの全てです)

blueseagull.hatenablog.com

 
 だから僕はFragile Flowersという音楽ユニットを始めました。何作か作品を出しました。でも僕は長山香奈になれませんでした。凡人のままです。彼女の言う才人にはなれなかったのです。僕はこの2年間何をしていたんだ、自分に吐き気がします。
 それは人の評価によるものでは決してないのです。自分自身が納得できないのです。未だに自分に自信を持てないのです。僕は自信が欲しいのです。過度な自信を持つことは危険なことでありますが、自信を持っている人は輝いています。表情が違います。高校時代の長山香奈と成人後の彼女の顔を見ればわかります。自分の積み上げたものが糧になっているからです。だから人は彼らに惹かれついていくのです。そして物事は上手くいくのです。
 自信をもっている人間というのは、2つの人種に分けられると思います。1つは前述した通り努力した人間です。もう1つは僕が最も憎むべき人種である、神様から与えられたギフトを持っている人間です。そのギフトとは、容姿が良い、裕福な家庭に生まれた、何かしらの才能を与えられることなどです。そのギフトは努力をあざ笑うかののように、踏み潰してしまう力を持つのです。僕はそれがとても許せません。この神様は残酷で、この世界は狂っているのです。別に僕は自分が不幸な人間だとは思いません。ただ怠惰で醜い人間だとは痛感しています。そんな人間ではこの狂った世界では生き延びれません。だから僕は生き残るために努力をするのです。努力し、自信を得たら世界が変わると信じているのです。僕の中の生存本能が僕を突き動かすのです。何人かはそんな僕を馬鹿にしました、何人かはそんな僕を軽蔑しました。何人かは狂っていると言いました。それでもかまいません。僕には努力して才人になった果ての夢があるのです。夢を叶えるには何もない僕には努力する以外にないでしょう。
 僕は長年患っている鬱病不眠症を理由に大学を辞めました。また逃避したのです。誰ひとりとして友人がいない田舎の町で暮らし始めました。高卒で何も資格をもたずに、取柄もない僕が就職した会社は清掃会社です。そこは社会の掃き溜め場所でした。僕みたいな人間が、様々な事情を抱えた人間が、狭いコミュニティでにらみ合っている底の底です。自業自得です。

 ここからが本題です。なぜ僕はFragile Flowersで才人になれなかったのか?それは努力が足りないこと、そして人に頼った部分も大きいからです。だから僕はメンバーを全員クビにしました。本当に身勝手な行いです。だけど僕はそこまでしてでも才人になりたいのです。申し訳ないことをしたと思っています。ただ懺悔の気持ちはあっても後悔はしていません。たった1人で精神的地下=正解のない暗闇に沈んでいくのです。歴代の僕の尊敬する作家たちも同じような発言をしています。
 1人になったFragile Flowers=僕はどんな努力も惜しみません。ここで内容を書くのは止めておきます。完成したときに言えばいいのです。僕は口先だけの人間は嫌いです。それは過去の僕でもあります。僕は過去を乗り越え、前に進むために努力するのです。誰にも届かない歌を唄うのです。僕には誰よりも物語を愛してる自負だけはあります。口先だけじゃない。それを形にするのです。辛いときに寄り添ってくれた物語の為に歌うのです。僕にしか作れないものがあると信じて努力するのです。僕だけがセカイなのです。
 具体的な形とは才能も技術も声質にも恵まれない僕が全て作詞作曲編曲演奏するアルバムを作ることと、僕が触れてきた膨大な物語から得たものを還元することです。すでに6曲できました。誰に何を言われようが僕だけにしか作れない曲です。全てを終えた時、僕はどうなるのでしょうか。きっと生まれ変われると信じています。怠惰で醜い人間から、醜い人間に。それ以上は望みません。評価なんてされなくていいのです。誰かに貶されようがかまわないのです。圧倒的な努力を出来た才人にはそんなもの関係ないのです。僕は一生音楽を続ようとは思いません。他にもやりたいこと、夢がたくさんあるのです。そして出来る限り努力して自分の手で幸福を掴みとりたいのです。だから文字通り終わらせるための音楽を作ります。
 2019年にはなんらかの形で世に送り出します。僕が尊敬してやまない人にミックス/プロデュースを依頼しています。(そこは1人じゃないのかよと思わないで下さい。その人は僕の長年の憧れ、そして最も畏怖する努力する天才なのです)そして願うなら、その時誰か1人でもかまわないので、僕がその人にとっての長山香奈になれたらと思います。

 僕の考えや音楽を軽蔑する人もいるでしょう。批判する人もいるでしょう。かまいません。それが正論であれば受け入れ、改善する努力をしますし、的外れや価値観が違うものだと感じたら受け流します。適当に謝ってその場を収めます。それが大人になるということじゃないでしょうか。僕はもう24歳です。いつまでも子供でいたくはありません。

 今後のブログの使い方については、月1ペースで更新できたらと思っています。次回からはこんな重い話ではなく、進捗や機材、おすすめのプラグイン情報や、インスピレーションを受けている物語を紹介できたらなと思っています。