僕がバンドを辞めた理由、もうライブをしないと決めた理由、それでも音楽を続ける理由

 皆さんライブハウスは好きですか?インディバンドのライブは好きですか?正直、僕は演者としても聞き手としてもあまり好きではありません。
勿論、素晴らしくて楽しい瞬間も沢山ありました。それでも僕がもうライブ、またそれに付随する文化というものにもうあまり関わりたくないのには理由があります。僕は今、田舎に住んでいて「君は安全圏にいるから言えることだよ」と友人に言われました。その通りです。なので不快な思いをする方がいたらすいません。ただこの文章は純粋に音楽が好きな人間が純粋に書いたまでです。また特定のバンドや人物を指している訳ではありませんのであしからず。

・演者として
 一応それなりにライブはしてきた自負はあります。色んなバンドで、色んなパートで。そこで感じたのは、僕は本当に人前で演奏するのが駄目な人間ということです。
 理由として、まず第一に僕は表舞台に踊り出てよい人間ではありません。精一杯楽器を練習しても、人前に立つと普段通りに演奏出来ないだとか、容姿が整っていないだとかもありますが、根本的に人前に出てはいけない人間です。放送禁止人間です。人前に立った時点で放送事故です。僕が人前に立つとその場が終わります。わかりやすく言うならば、小学生の時に自由研究の発表会みたいな場で、人前で話す機会が誰しもあると思います。そこで頑張ってるのはわかる、でも上手く喋れず、ただ場を凍らせることしか出来ない子が一人はいたはずです。いたたまれない空気を作りだしてしまう、それが僕です。
 第二に僕(ら)の演奏には人様が汗水垂らして稼いだお金や、貴重な時間を頂く程の価値があるのか?と思ってしまうからです。正直、交通費込みで3000円程度、全てのバンドの演奏を聞くとして、時間にして約4時間。僕だったら小説を1冊か2冊買ってそれを読む方が断然いいです。(それぞれの人がそれぞれの楽しみ方をして欲しいということです)
 第三にバンドというのは音楽を作る、演奏するということの他に人柄も問われます。"音楽"だったら無関係かもしれませんが、"バンド"でしたら間違いなく問われます。プロなら話は違うかもしれませんが、アマチュアとしてなら、人間としての最低限の挨拶、感謝、お金のやりとりはもちろん、コミュニケーション能力とカリスマ性が必要です。バンドの演奏を聞きに行く、ということにプラスしてその人たちに会いに行きたいと思わせなければなりません。僕はコミュニケーション能力もカリスマ性もありません。僕にバンドマンとしての付加価値はマイナスです。
 以上のことを考えてしまう時点でバンドで演奏する資格はありません。だから辞めましたし、もう二度としません。それは一緒に演奏してくれる人やライブハウスのスタッフさん、そして何よりも聞いてくれる人に失礼です。侮辱です。

・聞き手として
 同じくそれなりにライブハウスに足を運んできたと思います。それこそ好きなバンドのライブ動画を何回も何回も見てきた人間です。基本的にライブが嫌いな訳ではないです。ただライブハウスの居心地の悪さや情報量の多さは苦手です。せめて椅子を用意して欲しいし、なんなら出入り自由にして欲しい。労働でもないのに狭い空間に4時間閉じ込められるのは拷問に近いです。また人がいない平日のブッキングライブのいたたまれない空気、満員に近いライブハウスの人の多さどんな環境でも苦しいです。僕は部屋の隅でリラックスして好きな音楽を聞くのが一番好きです。だったらよいオーディオ環境を揃えて部屋で一人で聞けばいいのです。それでもライブハウスに通ったのは、正直付き合いや打算もあります。もうそういうことはしたくないです。誤解して欲しくないのは、僕の好きなバンドは、僕の想像以上のモノを与えてくれましたし、ライブハウスでの出会いには感謝してます。でも社会人となり時間の制約が生まれた今、少ない時間を犠牲にしてまで、頻繁に足を運ぼうと思える人間では僕はないです。

 ということでもうライブやそれに深く関わることとは、もうないんだろうなと思います。(もちろんそこで頑張っている友人や好きなバンドは応援していますが)それでも僕は音楽を続けるのは音楽が好きだからですし、バンドと違って、音楽そのもので評価されるからです。人柄やその人がどんなに努力しようが関係ない音で勝負したいからです。凡人の、宅録の限界、新しいスタンダードを提示したい。そして自分の限界を知って、ちゃんと諦めたいからです。落としどころをつけたいのです。10年以上関わってきた音楽と、どう付き合うのかということに。
 
 ここ数年で音楽を取り巻く環境はずいぶん変化しました。ストリーミング配信という存在が現れた以上、もう音楽自体に金銭的価値はないのかもしれません。無料が当たり前、むしろ莫大な音楽を選り取り見取りな今、プロでもバンドでもない自分の作った音楽に時間を割いてくれる方には、逆にお金を払ってもいいと僕は思います。だから僕は新しいやり方でアルバムを発表したいと思います。
 曲は全部出来てあとはベースとボーカル、コーラスを録音してミックスという感じでしょうか。正直、全曲冷静に聞いたら、凡人が頑張ったね~よしよし~えらいえらいみたいな感想しかないです。今のところ。ここからが本当の勝負です。自分の為に、ライブハウス以外でも戦えることを証明する為に頑張ります。